執行委員長挨拶

教職員・児童生徒とその家族の幸せのために

~持続可能で魅力ある働き方の実現を~


 組合員の皆様におかれましては、新年度を迎え、新たな気持ちで職務に精励されるなか、慌ただしい毎日を送られていることと存じます。日ごろの真摯な教育活動に対する敬意とともに、福島高教組の活動に対する温かいご理解とご協力に心より感謝申し上げます。


 昭和25年の結成以来71年目を迎えた福島高教組は、「是々非々(よいものはよいとして奨励し、悪いものは悪いとして指摘・改善する)」「不偏不党(特定の主義や政党に偏ることなく中立の立場をとる)」を堅持し、本県の高等学校及び特別支援教育の充実と振興、教職員の待遇の改善に向けて、組織の総力を結集して取り組みを重ねてまいりました。今年度より執行委員長を務めさせていただきますが、これまでの活動の精神を受け継ぎつつも、令和の新しい時代において福島高教組のさらなる発展のために誠心誠意努力していく所存でございます。重ねて、上部団体である日本高等学校教職員組(日高教)本部専従書記長に佐瀬善美執行副委員長(喜多方桐桜)が就任するとともに、今年度も引き続き、福島高教組本部専従に小桧山淳書記長(会津西陵)が就任し、令和4年度の取り組みがスタートしました。福島高教組新執行部一同、子どもたちの学習環境の充実と教職員の待遇・勤務環境の改善に向け、日高教と連携を強化しながら、鋭意努力してまいります。皆様のご支援とご協力を何卒よろしくお願いいたします。


 さて、現在、「第7波」ともいわれる新型コロナウイルス感染再拡大に加え、ロシア・ウクライナ情勢によって、経済がどこまで回復していくのか心配される中、昨今の国内外情勢の様々な影響から物価の上昇が著しく、生活にも大きな影響を与えております。以上のことから、我々の給与・待遇改善は喫緊の課題であるのは間違いありません。現段階での連合集計ではプラス回答が多く見受けられますが、楽観視できない状況であり、人事院・人事委員会勧告に向け、日高教が加盟する公務公共サービス労働組合協議会(公務労協)を通して春季生活闘争に取り組むとともに、県人事委員会へも要請を行ってまいります。


 教育行政については、令和4年度(2022年度)入学生より新学習指導要領が順次導入され、1人1台端末を利用してきた生徒が県立学校に入学します。年間行事につきましても、まだまだ新型コロナウイルス対応で不確定な部分も多く、学校現場は多忙化解消が依然として解消されておらず、働き方改革は停滞している感が否めません。しかしながら、今年度に文部科学省が予定している「教員勤務実態調査」において、高校も調査対象とすることが示され、われわれが日高教を通して求めていきた要求が実現されました。文部科学省は、この調査の結果次第で給特法や定数法の見直しについても検討するとしています。調査結果を注視するとともに、調査について見えてくる課題の解決および超過勤務時間の縮減に引き続き取り組みが必要です。


 また、本国会で審議中である教育職員免許法と教育公務員特例法の改正案が可決・成立すれば、教員免許更新制は廃止され、2023年4月より教員の研修記録の作成が教育委員会に義務化されます。その在り方については、今後「定年引上げ」とともに、県教育委員会との交渉が行われると思われますが、現場との情報交換を密にしながら、先生方の勤務条件や勤務環境が改善するよう共に取り組んでまいります。


 一方、本県では、「県立高等学校改革後期実施計画(令和6年度~令和10年度)」が示されるとともに、魅力と活力のある学校づくりを目標に掲げ、学校の統合・再編・特色化といった具体的な改革の方向性が明らかになりました。この改革が子どもたちの学習環境や私たちの勤務環境に大きな影響を及ぼすことはいうまでもなく、引き続き、動向について注視してまいります。


 最後に、組合活動は地方公務員法に保障されている権利です。現在、さまざまな業種の労働組合の組織率は低下の一途をたどり、福島高教組もその例にもれません。活動を支える資金についても、節減に努めてはいるものの、大量退職の時代や若年層の採用人数の低下から、現在におきまして苦しい状況にあるといわざるを得ません。しかしながら、教育環境や待遇の改善などの成果は、福島高教組の活動を通じて交渉を重ねた末にようやく勝ちとったものです。権利とは、行使することによってはじめてその価値を確かめることができるものです。そして、権利の行使は、「みんなでみんなのために」の助け合いの精神のもとで、全員で取り組んでいかなければなりません。持続可能で魅力ある働き方を実現するため、組合員同士だけでなく非組合員とも情報交換を行うとともに加入促進に努め、困り事に関しては分会での学校長要請を実施し、各分会活動の活発化にご尽力をお願い申し上げます。


福島県高等学校教職員組合 執行委員長 永井國之